有言実行。書きますよん。
なにげにもう一週間以上も前の出来事だったりするのですね。
なにから書きましょうか…。
まず、その日俺は地元の友人と二人っきりで飲んでいたということを言わなくてはなりません。
この彼は小学校の頃からつきあっている数少ない友人の一人であり、
近頃もたまに会っては近況を話したりしておりました。
で、男二人、酒の席、自然と話題は色恋沙汰になってくるわけで。
思えば自分は以前から彼からの相談を受けており、
以前には
「友達が穴兄弟らしいんだけどどうしたらよいか」
という非常にファンシーな相談もされました。
そんなん相談されても答えられるか。
そんなわけでかなり前にその彼女とは別れたらしく
この日もさぞや暗い話になるだろうとわくわくしてたわけです。
しかし、そんな期待は簡単に裏切られました。
2週間ほど前に新たな彼女ができたというのですよ。
もうね、くはっ、って感じです。
「俺はお前の
不幸が聞きたかったのだよ!」
「そんなきらきらした目は見たくねぇんだよ!」
「桃色オノロケ話など聞きたくねぇのですよ!」
と俺は言いませんでしたよ。
「
えっ、ほんとに!?やったじゃん~おめでとう!どんな娘なの?」
と言うしかないです、そりゃあ。
そして言ったが最後。
もう怒涛のような惚気話がスタートしました。
曰く
「
毎日メールや電話してる!」
(一週間以上メールしてませんが?)←私の場合。以下同じ
「
めちゃくちゃ可愛い!」
(あぁ~可愛いかなぁ。今流行りのキモ可愛いってやつ?)
「
ちょくちょく一緒に遊びに行く。こないだは海に行った! 昨日は映画を見てきた!」
(ちょくちょくなんて行ってられるか!あ、映画は見ましたよ?
クレヨンしんちゃんだけどな。)
「
もう最高に幸せです。幸せ過ぎて申し訳ないです。」
(幸せってどこにあるんだろう。)
…も、もうね!どうしてくれようか!って感じですよ。
いや、わかっております。
付き合い始めというのはもうほわんほわんしてしまってランランルンルン気分に
なってしまうというのは非常によくわかります。
けれど決定的に器が小さい俺なのでその時はやつが憎ぅて憎ぅて。
そして自分が不憫で不憫で。
もう無理やりにでもやつの歪む顔が見たいと思い、(あたしの心が歪んでおります)
「
ほぉほぉ。でも彼女の嫌なところってないのかね?」
と聞いてみたところ、彼の顔が少し曇り、
「
少し束縛してくる性分である。メールなど返信が遅れると非常に怒れる。」
と言うのです。
そんなもん、愛されてる証拠ではないか、と言うと
「
まぁそうなんだけどね、おほほほほ。」
と惚気はとどまることを知らず、俺もぷりぷり。
そうして2,3時間ほど飲み食いしてよい感じに煮えてきたので
店を出て、近所の公園に場所を移して話すことになりました。
自分は夜の公園が好きでこの日も気分が高揚していたこともあり、
普段遊べないブランコなどに乗って遊んでおりました。
すると突然友人の携帯がピロピロと鳴り出しました。
まぁ例の彼女なのだろうな、と思っていると案の定そうらしく
やつの顔が目に見えて楽しげになっています。
酔っていたせいかもしれません。
ひがみが溜まってたのかもしれません。
半分冗談というのもあったでしょう。
ここで俺はとんでもない行動をとってしまったのです。
すなわち
「
○○くん(友人の名)誰と電話してるのぉ~?ねぇちょっとぉ~」
と猫なで声ですぐそばで言ってやったのです。
夜の静かな公園だけあって確実に声は携帯ごしにあちらまで届いたでしょう。
でもまぁさすがに気づくわな、と思っていると
友人が明らかに慌てており、
(ちょっと!不審がってるよ!)
と囁いてきたのでうれしくなってしまった俺は
さらに悪ノリし、
「
ねぇ、だから誰と話してるのぉ~?早く切ってよぉ~」
「
あ、前に言ってたあの娘でしょ~あははっ!」
「
早くこっちきてよぉ~」
などと酔いも手伝い、ぺらぺらぺらとしゃべってしまいました。
我ながら最高に気持ち悪いです。
しかし、これが大成功したらしく、彼の様子から察するに
相当彼女を怒らせてしまった様子。
彼も
「
違うって!今友達と一緒なんだよ!」
「
男だから!そんなわけないじゃん!」
「
いや、借りてたCD返しにきただけだから!」
と意味不明な言い訳まで言い出す始末。
しかし向こうもかなりきつい性格らしくまた彼は弱めの性格なので結局
「
いや、ごめん…ごめんってば。」
などと言ってしまいます。
もちろん俺は知らんぷり。
相手は何度も何度も
「ごめん…」
と繰り返している。
俺はそれを他人事のように聞き流している。
別に俺にはどうすることもできない。
そのうちに一方的に切られてしまったらしく彼は顔面蒼白の状態。
曰く
「
やばいよ。もう電話しないでって。ほんとこういうのに厳しいんだって。
束縛してくるって言っただろ…」
あぁ、そういや、そんなことも。
とにかくもう一度電話してみる。と半分あきらめのような表情で言って
彼は足早に帰っていきました。
俺はその後姿を黙って見送りました。
虫の鳴き声がどこからか聞こえてきます。
夏はもうすぐそこです。
~
了~
…とまぁこんな感じで。
いかがでしたでしょうか、わかっていただけましたか。
ちょっとした
叙述ネタを使ってみました。人物誤認。
昨日の日記が伏線だったのもミソだねっ♪
まぁ恋を終わらせたっていうのは言いすぎだったかねぇ。
でもその時は本気でそう思ったのですよ。
そういうわけで俺と彼女さんの破局を期待していた方々には
本当に申し訳ないです。
今度こそいつかこんな報告ができたらいいなと思っております。よろしく。